AI検索の可視性はどのように測定するのでしょうか?方法と限界
AIの回答に自社ブランドがどの程度登場するかを測定する方法をまとめました。固定質問セット、3つの指標、そして必ず知っておくべき限界について解説します。

一言で答えると: AI検索の可視性は、決まった質問を同じ方法で繰り返し問いかけ、回答に自社ブランドが登場するか(言及)、自社サイトのリンクが貼られているか(引用)、その内容が正しいか(正確性)を記録して比率で計算します。ただし、AIの回答は毎回変わる可能性があるため、一度の結果よりも同じ条件で繰り返した際のトレンドを見ることが重要です。
なぜ測定が難しいのでしょうか?
検索順位は「3位」「7位」のように、比較的明確に確認できます。しかし、AIの回答は異なります。
- 同じ質問でも、聞くたびに文章や推奨リストが変わることがあります。
- ユーザーの位置情報、会話履歴、ログインの有無によって回答が変わることがあります。
- AIサービスがアップデートされると、回答の方式そのものが変わります。
そのため、「今日一度聞いてみたら出てきた」というのは測定ではなく、偶然の観察に近いです。測定として成立させるには、条件を定めて繰り返す必要があります。
3つの核心指標
OLRimでは、次の3つの指標でAI検索の可視性を判断します。
1. ブランド言及率
AIの回答に自社ブランド名が登場した比率です。
ブランド言及率 = (ブランドが言及された回答数 ÷ 有効な回答数) × 100
例えば、有効な回答20個のうち5個にブランドが出てきたなら、言及率は25%です。
2. 自社URL引用率
回答のソースリストやリンクに自社ウェブサイトのURLが含まれている比率です。
自社URL引用率 = (自社URLが引用された回答数 ÷ 有効な回答数) × 100
名前は出ても、リンクは他のブログやレビューサイトに設定されるケースが多くあります。言及率と引用率を分けて見るのはこのためです。
3. 正確引用率
自社ブランドが言及された回答のうち、会社情報やサービス説明が事実に即している比率です。
正確引用率 = (正確に説明された回答数 ÷ ブランドが言及された回答数) × 100
言及は多いのに正確度が低い場合は、古い情報や誤った情報が拡散されているサインです。この場合、露出を増やすことよりも公式情報を正すことが先決です。
「有効な回答」とは?
AIがエラーを出したり「お答えできません」と答えたりした場合は計算から除外します。代わりに、何件が除外され、理由は何かを別途記録します。除外された件数が多いこと自体が、意味のある情報だからです。
固定質問セットの作成
測定の核心は、毎回同じ質問を使うことです。この質問の束を「固定質問セット」と呼びます。
質問を選ぶ基準
- 顧客が実際にしそうな質問: 自分が聞きたい質問ではなく、顧客が尋ねる質問を選びます。
- 複数のフェーズを混ぜる
- 検討段階: 「GEOとは何?」
- 比較段階: 「GEO診断ツールの比較をして」
- 決定段階: 「小規模企業が使いやすいGEO診断サービスを推薦して」
- ブランド名を入れない質問を中心に: 「OLRimはどう?」のように名前を入れると、ほぼ常に言及されるため、可視性を正しく把握できません。名前を入れた質問は、正確性の確認用として別途用意します。
- 最初は10〜30個程度で: 多すぎると継続的に繰り返すことが困難になります。
バージョン管理が重要です。
質問を一つでも変更すると、以前の結果と直接比較できなくなります。そのため、質問セットに「v1」「v2」のようにバージョンを付け、質問を変えるときは新しいバージョンとして開始します。比較は同じバージョン間のみで行います。
記録フォーマット
次の項目を漏れなく残すと、後で結果を再確認したり比較したりできます。
| 項目 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| 調査時刻 | 2026-10-16 15:00 | 日付と時刻 |
| AIサービス・モデル | ChatGPT (Search使用) | 可能な場合はモデル名まで |
| 質問セットバージョン | v1 | |
| 質問 | 小規模企業向けGEO診断サービスの推薦 | 原文のまま |
| ブランド言及 | はい / いいえ | |
| 自社URL引用 | はい / いいえ | |
| 引用されたURL | https://... | ソースリスト全体 |
| 正確性 | 正確 / 一部誤り / 誤り | 誤った内容があれば備考に |
| 判定者・判定方法 | 担当者が直接確認 | 自動判定ならその方法 |
| 備考 | 旧価格で案内されている |
記録のルール
- 可能であれば、ログインしていない新しいチャット(または履歴がない状態)で尋ねます。
- 質問は一つのチャットにつき一つずつ尋ねます。前の質問が後の回答に影響を与える可能性があるためです。
- 回答画面をキャプチャするか、原文を保存しておきます。
測定の4つの限界
この方法も完璧ではありません。結果を解釈する際は、次の限界をあわせて記しておく必要があります。
1. 回答が毎回変わります。
AIは同じ質問に対しても異なる回答を出すことがあります。そのため、質問ごとに複数回尋ねるか、質問数を増やして偶然の影響を減らします。
2. ユーザーごとに異なる回答が表示されることがあります。
位置、言語、会話履歴によって回答が異なります。自分が見た結果が、すべての顧客が見る結果とは限りません。
3. AIが間違ったことを言う可能性があります。
AIが事実でない内容をもっともらしく作り上げる現象をハルシネーション(幻覚)と呼びます。言及されていても内容が間違っていることがあるため、正確引用率を個別に確認します。
4. サービス同士を単純比較することはできません。
ChatGPT、Gemini、Perplexityは情報の収集方法や更新周期が異なります。「Aサービスの方が言及率が高い」という結果を「条件が同じである」と断定してはいけません。各サービス内での変化のトレンドを見ることがより正確です。
結果をどのように活用しますか?
| 状況 | 意味 | すべきこと |
|---|---|---|
| 言及も引用も低い | AIが自社の存在をよく知らない | 技術的な点検、核心情報の補強 |
| 言及は高く引用は低い | 名前は知っているが自社サイトをソースにしない | 質問に直接答えるコンテンツの作成 |
| 言及は高く正確度は低い | 誤った情報が拡散している | 公式情報の修正・一致作業 |
| すべて高い | 良好な状態 | 定期的な確認による維持 |
まとめ
- 固定された質問を、同じ方法で、継続的に尋ねることが測定の基本です。
- 言及率・引用率・正確引用率を分けて見ることで、問題の原因を把握できます。
- 限界を認め、一度の結果ではなくトレンドで判断します。
OLRimがこの方法で進めている調査の設計は、[Olrim AI Search Visibility Report v1](/blog/olrim-ai-search-visibility-report-v1)で公開しています。手動での記録が手間な場合は、OLRimのAI言及トラッキング機能で同じ質問を定期的に確認することが可能です。

